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便秘(べんぴ)とは、ヒト(または他の動物)において便の排泄が困難になっている消化器の状態である。
便秘の原因には次のようなものがある。 腸の一部が締め付けられ、細くなったり遮断されたりして便が動けなくなる。 麻痺により腸の蠕動ができなくなった場所で便が動けなくなる。 過度の脱水により便が硬く大きくなり、排泄されなくなる。 食物や食物繊維の摂取が不十分なため、適切な咀嚼が行われなかった。 心配事や未知の環境などによる精神的な原因の便秘。機能性の便秘、過敏性の便秘の2つがあり、腹部の不快感や痛みによって特徴付けられる。 これらは、互いに原因となる多様性がある。
便秘はとりわけ、女性に多い病気であり、たとえば日本では5人に1人が便秘の症状で悩みを持っているともいわれる。 だが、これには科学的な根拠があり、それは社会的なものから、生活習慣的なもの、そして女性独特の身体構造に大きく関与する。 1男性に比べ、排便に必要な括約筋、腹筋の力が弱い。 2男性に比べ、外での排便を躊躇、我慢する傾向にある。そして我慢を続けることによって排泄中枢が反応しなくなってしまう。そのため、排便のサイクルに狂いが生じて、便秘になりやすい。 3女性の方が便の嵩を増やす元になる食物繊維や炭水化物を多量に摂取する傾向にある。その割に2の理由などで便を溜めてしまい、目詰まりを起こす。 4女性に多いダイエットも大きな原因。食べないことによって腸の蠕動運動が疎かになる。 5女性独特の黄体ホルモン、プロジェステロンが体内に水分を蓄積しようとする。その結果、排便に十分な水分が補給されなくなってしまう(このホルモンは生理、妊娠などの時に多く分泌され、故にその時期の便秘が多くなる)。更にこのホルモンは流産を防ぐために括約筋を収縮させる働きがあるため、一層排泄が困難になる。 6女性は胎児を育てるため、骨盤が広い。そこに腸が下垂しやすくなり、腸が不安定になる。また、下半身に脂肪が溜まりやすくなるために、血液も骨盤に滞りがちになる。故に腸の働きが活発でなくなってしまう。 7上記の理由で腸管の形が歪になりやすく、そこに硬い便などが留まってしまう。 8症状は7と似ているが、ストレスによる過敏性腸症候群などにより、腸が閉塞してしまい、そこに便が滞ってしまう。なお、この症状は男性にもよく見られるが、男性は下痢の症状を訴えることが多い。 以上の理由が挙げられており、便秘薬の購入者は女性が圧倒的に多い(パッケージにピンクが多いのは明らかに女性をターゲットにしている証拠である)。一方、男性の方は、高齢者以外は便秘で悩まされる率は圧倒的に少ない。反面、男性は便秘より下痢に悩まされている傾向にある。
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