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血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態である。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義は大きい。生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症、糖尿病との合併は死の四重奏と俗称される。
リスクファクター すなわち、濃度が正常より高いと飲水行動が促され、腎では水分の再吸収が促進される。反対に濃度が低い場合は腎で水分の排泄がすすむ。 結果として、血中のナトリウムが過剰の場合は濃度を一定に保つため水分量もそれに相関して保持され全体として細胞外液量が過剰(ハイパーボレミア:hypervolemia)となるのである。 腎のナトリウム排泄能を超えて塩分を摂取している場合、上記のメカニズムで体液量が増加して高血圧を来す。ナトリウム過剰で高血圧を来たし易い遺伝素因も存在することが確認されている。
高血圧の身体へ及ぼす影響は以下のようなものがある。 血管内皮障害 強い圧力の血流は動脈の内膜にずり応力を加えて傷害する。この修復過程で粥腫(アテローム)が形成され、動脈硬化の原因となる。 動脈硬化は動脈壁を脆弱にするだけでなく、さらなる高血圧の原因となる。 腎障害 腎臓の糸球体は細動脈の束になったものであり、高血圧によって傷害される。 また、糸球体高血圧がレニン-アンギオテンシン系を賦活するためさらに血圧を上昇させる。糸球体は廃絶すると再生しないため糸球体障害は残存糸球体への負荷をさらに強めることとなる。 心負荷 一般に動脈には心臓の収縮時に血流量が増えるが心筋だけには収縮時には流れず、拡張時に流れる。 強い収縮力で心筋の内圧が動脈圧を上回るためである。ここで、心臓の仕事量は血圧に比例する。高血圧は心臓の仕事量を増やすが、心筋は収縮力が強まるため血流量はむしろ得にくくなる。 こうして高血圧は虚血性心疾患の大きなリスクとなる。 高血圧緊急症 上記のような慢性的な影響とは別に、急激な高血圧により脳圧が亢進し頭痛・視力障害などの急性症状を引き起こした状態は高血圧緊急症または高血圧脳症と呼ばれる。 治療として降圧薬および脳圧降下薬が投与される. 血圧降下により症状が消失することにより診断される。
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