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O157(オーいちごうなな)は、O抗原が157番の大腸菌である。ただし一般には、腸管出血性大腸菌O157:H7のことである。 同様のものには、O1、O18、O26、O111、O128などがあるが腸管出血、ベロ毒素産生などの病原性を示すのはO157:H7も含めてそのうちの極一部である。
加熱の不十分な食材から感染し、100個程度という極めて少数の菌で発症し感染症・食中毒をおこす。 そのため感染者の便から容易に二次感染が起こる。 この菌はベロ毒素を作り出す。ベロ毒素は、大腸の粘膜内に取り込まれたのち、リボゾームを破壊し蛋白質の合成を阻害する。蛋白欠乏状態となった細胞は死滅していくため、感染して2〜3日後に血便と激しい腹痛を引き起こす(出血性大腸炎)。 また、血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)なども起こる。 牛等の糞便等から検出されており、その肉に付着する可能性が高い。その防止のためと畜場では施設改装し対応を行なった。 加熱に弱い菌であるため、ハンバーグ等挽肉を原材料とする食品は、その中心温度を75℃1分と同等に加熱することが、感染を防ぐため必要である。 また、生レバー (肝臓)、生センマイ等などは殺菌していないので、子供や高齢者など抵抗力の少ない人は食べないことが予防のため必要である。
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