トップページ >> 大腸辞典 >> クローン病 |
|
クローン病( - びょう)(CD:crohn's disease)は、主として口腔から肛門までの消化管全域に、非連続性の炎症および潰瘍を起こす原因不明の疾患である。 本疾患における病変は消化管の粘膜から漿膜までの全層を侵し、進行すると腸管が狭くなる狭窄によって腸閉塞をきたすことや、腸管に穴のあく穿孔や瘻孔(ろうこう)、それらに膿が溜まった膿瘍ができることがある。 潰瘍性大腸炎とともに炎症性腸疾患 (IBD : Inflammatory bowel disease)に分類され、また同様に厚生労働省指定の特定疾患のひとつである(2005年2月20日現在)。 1932年にニューヨークはマウントサイナイ病院の内科医ブリル・バーナード・クローンらによって限局性回腸炎として報告される。 後に病名は改められたが回腸、特に回腸末端から盲腸にかけての回盲部に好発する点は確かである。
現在は遺伝的な素因を持ち、免疫系の異常がおこり、その上で食餌因子などの環境的な因子が関係しているのではないかと考えられている。 若年層での発症が顕著であり欧米先進国での患者数が圧倒的に多いため、食生活の欧米化、即ち動物性蛋白質や脂質の摂取が関係しているともいわれる。 欧米では、クローン病のかかりやすさは特にNod2(IBD1)の機能欠損多型やHLAの多型により強く影響を受けるが、日本人ではNod2との関わりは明確ではない。
以下に示す症状は代表的なものであり、個人差が大きく、これらの症状が必ず発現するわけではない。 本疾患の病変は消化管全域に起こりうるため、その症状は多岐にわたり、それらが断続的にみられることがある。 病変部位別に小腸のみに病変のある『小腸型』、大腸のみに病変のある『大腸型』、どちらにも病変のある『小腸・大腸型』に分けられ、小腸・大腸型が多くを占めている。 病変タイプ別に『狭窄型』と『穿孔型』に分類することもあり、後者のほうが重症であることが多い。重症例と軽症例では症状が大きく異なり、また炎症が激しい活動期(増悪期)では症状も激しく、炎症の落ち着いた緩解期では症状も落ち着く。 ただし狭窄、穿孔や瘻孔は非可逆性の病変であるため、必ずしも緩解期に症状が無くなるわけではない。 ・腹痛 ・下痢 ・体重減少 ・その他 ・合併症
|