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糖尿病 (とうにょうびょう、Diabetes Mellitus: DM) は、血液中のブドウ糖濃度が病的に高まって、それに特徴的な様々な合併症をきたすか、きたす危険性のある病気である。 一定以上の高血糖では尿中にもブドウ糖が漏出し尿が甘くなる(尿糖)ため糖尿病の名が付けられた(Diabetes=尿、Mellitus=甘い)。 腎臓の再吸収障害のため尿糖の出る腎性糖尿は別の疾患である。 血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、正常では常に一定範囲内に調節されている。これは、ブドウ糖が脳をはじめとした各器官の主要なエネルギー源であるだけでなく、組織の糖化ストレスをもたらす有害物質でもあるからである。 血糖が上昇したときの調節能力(耐糖能)弱くなり、血糖値が病的に高まった状態(または、高まることのある状態)を糖尿病と言う。
血糖を上昇させる仕組みは複数の系統で支えられているため、破綻することは稀である。逆に降下させる系統はインスリンしかないため、いくつかの原因で破綻もしくは機能不全となることがある。 「糖尿病」という病名上、糖分の取りすぎが原因と思われがちであるが、食事に含まれる糖分はそれほど重要ではなく、暴飲暴食等を繰り返すことによりインスリンを大量分泌させられる膵臓の機能の低下が主な原因。 一般的に野生生物にとっては飽食よりも飢餓が生存上の大きな問題であり、そのため血糖は上がりすぎることよりも、下がりすぎること(低血糖)を回避することが重要だからである。 従って血糖を上昇させるためのホルモンには、グルカゴン、糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモン、等複数存在するのに対して、血糖を下げる方向に働くホルモンはインスリンのみである。
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